1年に一回行われる全日本選手権が7月19日〜20日に石川県瀬女高原スキー場で開催された。
この大会のみで全日本選手権チャンピオンが決まり、翌年のゼッケン番号を決めるナショナルランキング(Jシリーズ上位3戦+全日本選手権)にも大きく影響するこの大会は、絶対に落とすことのできない重要な大会だ。
今回はダウンヒルだけでなく、クロスカントリーの湯本選手のサポートも行った。DHレース前日の金曜日に会場入り。会場には早朝に付き、選手が到着する前にブースを作る。内嶋選手に連絡を取ると、何と前日にこのコースで一番の難所であるブナ林で練習中に転倒し肩を怪我してまったようです。この日は明日の本番に備えて一切練習はなし。朝一にバイクの転倒によるダメージのチェックとメンテナンス、それからクリーニングを行い、この日の仕事は終了。レースは全て選手の体にかかっているだけに心配でした。

レース当日。練習走行を前日と合わせて2回以上走らなければならないため、朝からあわただしく準備。内嶋選手は肩に痛みは無いが、力が入らないだ。それでもなんとか練習終了。かなり乗りにくそうだ。
前日の夜に雨が降ったため、予選まではマッドなレースが予想されたので、テスト供給されたマキシスの新型タイヤを装着。これは既存のウェットスクリームのワイド版で太さは2.5。コンパウンドは40a濡れた路面や木の根に有効なタイヤだ。予選はとりあえず決勝に進むため、通過する事を目指す。結果は17位。
ゆっくり(本人的に)走ったため、バイクはほとんどダメージはなく、クリーニングをして決勝に備える。コースが乾いてきているため、タイヤをモブスターに変更する。

決勝スタート。
マシンは完璧。後は選手がこの条件でどのように走ってくれるか祈るだけ。ついにスタート。腕に力が入らないためか、スタート直後のストレートから第一コーナーまでは今まで見たことのない様な柔らかな走りをしていた。すぐにゴンドラに飛び乗り、ゴールへと向かう。ゴンドラからゴールを見るとなんとホットシート(1位の選手が座る席)に座っている内嶋選手を発見。よくあの体で!と思ったがコースの路面条件が予選より良くなった決勝はそう甘くはなく、次々とタイムを更新されて7位で終わった。残念な結果ではあるが、最悪の条件でここまでの成績を残せる内嶋選手に感動し、早い回復を望むばかりである。

3日目はクロスカントリーの日。
当社のサポートする湯本選手の乗るバイクをメンテナンスした。相変わらず不安定な天気に各選手もタイヤチョイスに迷っているようで、レース時間ぎりぎりまでタイヤ交換はしない。使用するバイクはフルサスなので、レース中にリンク周りにトラブルが起こらないように念入りにメンテナンスをする。前回の大会ではリンク周りが緩んでしまいボルトが外れたまま走ったそうだ。クロスカントリーは耐久レースなので、途中で起こったトラブルにメカニックは手出しできない。そのため、ダウンヒルとは違う緊張感がある。
タイヤはフロントにIRCのシラクチューブレス。リアには比較的マッドで使用できるノトスを使用する。
レーススタート。クロスカントリーのレースは一斉スタートなのでいつ見ても凄い迫力だ。トップライダーはここがオフロードであることを忘れてしまいそうなくらい凄い早さで周回していく。レースが中盤の3周目に差し掛かったくらいに大雨が降ってくる。路面が川になってしまうくらいの大雨での中で先頭にはスペシャライズドの竹谷選手。湯本選手は13位を走る。なんとか踏ん張って欲しい。結局雨はゴールする間近にやっと上がった。湯本選手は19位で終了した。今までの大会をメカニックなしで転戦していたが、やはり機材スポーツは機材が完璧ではじめて選手が能力を完全に発揮出来るので、クロスカントリーも例外でないことを再認識した。

↑練習中に転倒して肩の靭帯をのばしてしまった内嶋選手。通常、こんな姿を見たら、誰も走るとは思わないだろう。執念の走りで7位に。 ↑お馴染みのメカニックmatts氏によるオリジナルフレームステッカー。今回は全日本選手権仕様です! ↑クロスカントリーの湯本選手。スタート前の緊張の時間だ ↑ブースの模様。
スタート前に入念に最終チェックを行うメカニックの奥平